ロリータファッションがなければ、私は今のクリエイティブに辿り着けておりません。
自分の核にとても近い、とても大切なものです。
ロリータファッションはアパレルの分類であり、流行の1つであり、文化であり・・とてもとりとめのない言葉であると思います。
独特な点が多く、各々のこだわりもあり、そして環境や時代なども深く関わる特殊な言葉なので数多くの解説や心情、心得、考え方は本当に千差万別。
私個人としましては、好きな方が好きなように着ればいい、言い切ってしまえば「可愛い布の服」という認識なのですが、SNSやネット検索ではその考え方はマイナーなようだったので(精神論が多い)、「可愛い布でできた服だ!」と声を大にし伝える人がいてもいいのでは・・とまとめる事にしました。
私が長年「ロリータファッションを一番的確に人に伝える為に」考えている言い回しがあります。
それは「ロリータファッションと着物は似ている」という事です。
「ロリータファッション」と「お着物」の類似点をまとめました。
可愛い布で出来た服だ!
飛ばない目次
類似点
・季節で決まった生地や柄、小物がある
・着るために最低限必要なアイテムがある。
・アイテムの良い組み合わせ、悪い組み合わせがある。
・基本を踏まえ「遊び心」で様々なジャンルのアイテムを組み合わせる事もできる。
・ブランドがあり、それぞれに傾向、価格帯がある。
・アンティーク物も存在する。
「年中同じヒラヒラ」と思われがちなロリータファッションですが、実はきっちりと季節感があります。
例えば、ストローハットやカゴバッグは春夏に、別珍やベロア素材は秋冬に着用する事が多いです。
柄も、イースターバニーの柄は春頃、貝殻の柄は夏に、雪の柄は冬に、といった感じです。
お着物でも紫陽花柄の入った柄を秋頃に着たり、薄い浴衣を冬に着ないのと一緒です。
(お着物に詳しい訳ではないので間違いがあったらごめんなさい)
もちろん、通年着やすい柄や素材もありますが、季節感を取り入れるのもファッションの楽しさのひとつです。
お着物を着るのには必要不可欠なものがいくつかあります。
襦袢、足袋、腰紐、帯、などなど・・・例えば足袋をレースの靴下なんかに変更したアレンジも素敵ですが、基本の着付けというものが存在します。
ロリータファッションも同じで、パニエやドロワーズ(ブルマ)などの「ロリータファッションのシルエットを生かす基本のアイテム」があります。
(浴衣を着崩して着たり、ハロウィンにロリータっぽいシルエットのお洋服を若い方が着ているのも、賑やかで私は好きですが。)
ロリータとお着物の最大の共通点は「柄に柄を合わせる」その華やかさにあると思います。
お着物でもストライプの着物に紫陽花の帯、蝶の柄に花の帯など、普通の洋服ではけばけばしくなりそうな組み合わせを楽しむ事ができ、またそこがセンスの見せ所だったりします。
その組み合わせの楽しさを一番継承しているお洋服はロリータファッションではないか!?と私は考えています。
例えば水玉模様のドレスにうさぎのヘッドドレスをつけてPOPな雰囲気を出したり、バラ柄のドレスに王冠のモチーフがついたバッグを持てばプリンセスな印象になります。
ロリータファッションの柄やイメージは「季節」「国」「ロイヤルかポップか」くらいで大まかに分類できます。
「季節」分類は前述した「貝殻柄=夏」「雪柄=冬」といった事です。
「国」分類は「マカロン=パリ/フランス」「鼓笛隊のテディベア=ロンドン/イギリス」など、国のイメージは結構重要だったりします。
「ロイヤルかポップか」分類は一概には判断できませんが「お菓子作りをしているネコ柄=ポップ」「バラの中でおすまししているネコ柄=ロイヤル」など細かい雰囲気や柄の中の状況で変わってきます。
他にも、神秘的な星座柄や最近ではシノワズリを連想するような中華印象のものなど、多岐にわたり日々増殖中。
この分類の認識は、ロリータファッションを着こなす上で重要なポイント。
例えば鼓笛隊のテディベア柄の服に、貝の形のバッグを持ったらおかしな感じになってしまいます。
まあですが、認識した上での自由な組み合わせ、例えばいちご柄でテディベアのバッグを持っていても可愛いですし、イギリスモチーフのアリス柄で、パリモチーフのマカロン柄のバッグを持っていても「お菓子、お茶会」という共通点があるので好相性だとも言えます。この自由さもロリータファッションの魅力の一つだと思います。
先ほどの説明とかぶるところもありますが、例えばお着物をお召しになって、洋風のレースの日傘を差す、なんてのも洒落ていて素敵です。
ロリータファッションでも、例えばミニーちゃんのような真っ赤に白い水玉のドレスに、赤いスニーカーを合わせる。なんてコーディネートもできます。
(ロリータファッションには基本のお靴があります)
結構上級者テクニックかと思います。
ロリータファッションにはロリータファッションブランドです、と銘打ったブランドが沢山あります。
また、ロリータファッションと銘打ってはいなくても、柄の入り方やデザイン、シルエットがロリータ的で、ロリータファッションファンが好んで組み合わせる、といったブランドも少しあります。
最近ではQ-potのアパレル(大きなフルーツ柄などの、裾の広がったワンピース)などがロリータライクなので、ロリータブランドアイテムと合わせて着ている方を見かけます。
お着物の話になりますが、お着物も低価格で販売されているものから、柄が手彩色で、絞りで、金糸で総刺繍で・・・と何千万もするものも存在します。
ロリータファッションもお着物ほどでなくても価格帯があります。
低価格帯のものはレースのつき方が簡易的になっていたり、パターン(ドレスを構成するパーツ)が少なかったりします。
ハロウィンに沢山売り出されるロリータっぽいお洋服はとても簡略化されていますので、それと同じ価格で、標準的なロリータ服は買えません。
とりあえず、普通の学生がぽいぽい沢山買うのは大変な値段、といったところです。
また、プレミアが付いていたり、生産数が少ないものもあったり、特別なイベントに参加しないと手に入れる事が出来ない高価格なものも。
お着物はきちんと管理お手入れしていれば、代々受け継ぐ事が出来ますし、古いものには古いものなりの柄やお色遣いの良さがあります。
ロリータファッションもファストファッション品と比べて縫製や布地がしっかりしているものが多く、長く着用できるので過去に販売された人気のドレスにプレミアがつくこともあります。
また、凝ったアップリケなどのアイテムは新作があまりないので過去のものでないと手に入れられなかったりもします。
奥が深い
さわりだけの気持ちでしたが長くなってしまいました。
いちご柄だけでも1時間は語れるので、好評でしたらまた何か書くかもしれません。
ロリータ服・・・みんな着よう!
またね
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