話の発端は覚えていないのですが、私が美術大学で皆んなの講評を聞いていた時です。
ある教授が「キティちゃんは色気があるけど、ミッフィには色気を感じない」という話になり、ちょっと引いてる生徒に「いや、変態なんじゃなくて…例えば女の子のパンツにミッフィがプリントされてても何ともないけど、キティちゃんだとドキッとするでしょ…?」と弁解している光景を何故か今でも覚えています。
その弁解は逆効果…と思いつつも、話自体は凄く分かる話だったので今でも覚えているのかと思います。
キティには癒しに隠れた色気、ミッフィには癒しに加え保護対象な雰囲気があります。
キティとミッフィを他のもので例えると…
例えばUNIQLOのシャツとForever21のシャツ。
殆ど同じ様に見えますが、Forever21の方が若干色っぽいデザインになっている事が多いです。
ニューバランスのスニーカーとナイキのスニーカーではナイキの方が色っぽい…?
ジブリとディズニーでは私はディズニーに色気を感じます。
シルバニアファミリーとマイリトルポニーだとポニーかな…。
勿論「逆だよ〜」って思われる方も「UNIQLOのが断然好き」って方もいらっしゃると思いますが、どっちが良いと言う訳では勿論なく「説明のつかない様な些細な違いで客層がガラッと変わる」のが私が面白いと思っている点です。(どっちも好きは置いといて)
逆に言えば、デザイナーはそこで勝負している様な気もします。
一見ほとんど同じジャンルに見えるもの(アートやデザインや色々)も、ほんの少しのさじ加減で色っぽかったり、下品だったり、上品だったりします。
私は何故だか上手く説明出来ませんが「ほんの少しだけ、気付くか気付かないか程度に色っぽい」デザイン、イラストになるように、(無意識な時もありますが)心掛けています。
(キティちゃんくらいのさじ加減)
それは目の細かいサンドペーパーで表面をやするような、本当に自己満足なだけかもしれない作業なのですが、とても大事にしています。
例えばデートに持っていくような、ちょっとだけドキドキする様な、「癒しとは逆の」スパイスの様なイメージです。
そのちょっとの色っぽさが「苦手に感じる」方ももちろんいらっしゃると思うのですが、「強さ」を表現していきたいのでどうしても譲れない点です。
可愛いんだけど、ちょっと引っ掻いてきそうな雰囲気。
守ってあげたい、とは思わせないぞ…という強い気持ちです。(少なくともアニマル達本人はそう思っている)
ともあれ完璧に「キティちゃん」を表現するにはまだまだ修行不足なので、これからも色々見ながら作りながら頑張っていこうと思います。