先日の個展、 #LITTLECONVENI 24Heartsにて、Ms LUTRAで初めてシャドウボックスを制作いたしました。
シャドーボックスは昔日本でも流行ったのですが(なんとなくピーターラビットのイメージがある)本場はアメリカ。(多分、かわうそ調べ)
紙をいくつか層になるように重ねて立体的にしたものです。
世界中で親しまれているアートで、色んなジャンル(系統?)がある・・気がする。
と先日のブログで書かせていただきましたが、ちょっと詳しく話していきますね。
まず何でシャドウボックスを作ろうと思ったのか。
それはそもそも私がデジタルでイラストを描いている、という説明から始まります。
何でデジタルでイラストを描いているかと言いますと単純にアナログ画材がとても苦手だからです。
細い線が描けない、消せない、ずれる、色が出せない、終いにはイメージ通りの写真が撮れない・・・ともかく不器用という話しです、悲しくなってきました。
でもビンテージカードなどが好きなのでアナログタッチのイラストが好きではあるんです。
なので研究したり工夫したりしてアナログタッチをデジタルで再現する、というのが私の大きな軸であり目標です。
そこでまた新たな問題が出てきました。
個展や、イベントをする度に、何か一点物の作品を作りたい、壁に飾りたい、という事が往往にして起こります。
初めはプリントキャンバスも思ったのですが、そもそもビンテージカードのイラストは紙に描いてある事が多く、素材感のイメージが私的にちょっと違う・・。
紙にプリントするにしても、ザザッと描いた風の私の絵で見応えを与えられるかというと微妙・・・そもそもグッツとして出しているカードとあまり変わらない・・・。
もうずっと悩んでいたのですが、ある日、ある方が言いました。(そうですエトワールさんですよ)
「シャドーボックス作ってみれば?」
何故かその時猛烈に眠かった私は全然ピンときませんでした!
でもじわじわと「確かに?色々解決するかも?」と思いはじめ、シャドーボックスについて調べて見つけたのが、マリオやカービィのゲーム画面を立体的に額の中に入れるシャドーボックス。(ボックスアートともいう?アメリカでイベントもあるみたい?)
もう本当にこれが可愛くて、欲しくて、一瞬で「これだ!私の作りたいのは!」と心を鷲掴みにされてしまいました。
そもそもシャドーボックスに余り興味がなかった理由は
・何となく茶色い
・手で跡を付ける(紙の端を少し丸めて絵を膨らませる)のが見た目的にちょっと苦手
・カントリーすぎる
という先入観があったのですが、そんなイメージをカービィが壊してくれたんです。
伝統的なものも良いけど、やっぱり何かを壊すような物が好き・・・。
早速作るぞ、となったのですが、ある問題がありました。
それは「シャドーボックス」はあくまで手習い事の一つだった事です。
あるブログで読んだのが、アメリカの田舎の裕福な奥様が時間潰しの趣味として習うのが「パッチワーク、もしくはシャドウボックス」
その為シャドウボックス教室はたくさんあるのですが、教本は殆どなく、ググってもなかなかいいサイトが出てこない。
唯一見つけた教室を開いている方のブログを頼りに、制作に適しているというプリント紙をアマゾン輸入し、特殊なグルーを探し、手探りで制作をする事になりました。
手探りで何かを作るのは一向に構わなかったのですが、何しろそれが個展1ヶ月前を切っているくらいの時期。
失敗したら展示作品0では?という背水の陣というか。
カービィのボックスアートの写真を拡大して額の形状を把握しようとしたり、試しに小さいのを作ってみたり・・・
しかし予想に反して、私自身がカッターで何かを切るのが意外と苦手では無かった事が救いでした。
例えば上のボックスを作る為に
こんな風に立体になるように考えます。
そしてあとはひたすた切っていく。
重なって見えない部分も切らないといけないので、この絵は本当に沢山のパーツを切りました。
順番が混じらないように小さい袋に入れたのが良かったです。
これはうさぎちゃん。
切る前に紙に色々塗ったり、キラキラなグリッター塗ったり、実はボックスの内側側面も色を塗ったりしてます。
また額縁部分もラブリーな額が見つけられたので、本当に良かったです。
赤ちゃんの部屋に飾ってあるイメージで制作しています。
シャドウボックスは何枚もプリントした絵を切っていくのが前提なので、そもそもデジタルイラストレーター向きの額装作品でした。
本当そこが盲点。
また、いつも何ですが、私は展示の時の一点物が少ない場合は写真を撮って詳細をインスタなどにあげています。
額装作品は高額だし、そもそも他のグッツになっているものだし、一旦お家で欲しいかどうか悩んでからお越しいただいた方が良いかな・・・と思っている次第です。
また、1点物も「アイテム・グッツのひとつ」と考えているのと、写真をみたところで実物の感動は薄れないと思っているからです。
あと地方や日本国外の方への気持ちも大きいです。
あと、KAWS先生を尊敬していて(あの目がバッテンの現代アーティスト)
「欲しがられる物を作る」のは簡単でも単純でもなくって
ただ「うさぎのイラスト」とか「アニメ絵」とか「水彩タッチ」とか「ひらひらしたスカート」とかそういったモチーフだけ取り入れても、全部のものを欲しくなるはずは無い。
何かに背を向けたりしながらも「良いもの」とか「欲しいもの」を誤魔化さないで作っていけるのが一番かっこいいかな、と思う所存です。
それでは、そんなシャドウボックスについてでした。