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mslutraのブログ

2:(アートとは何かから考える)自分が絵を描く理由

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誰にも望まれていない、小難しい話をしたがる続編です。

今回は「自分が絵を描く理由」理由というか目標になってしまったのですが、そのお話を一方的にさせていただきますね。

 

前回はこちら

www.mslutra-blog.com

 

まず、あれだけ長いことアートについて話しておいてなのですが、私は自分のイラストはアートだと思っていません。

普段「お店やさんごっこ」を本気で遊んでいる大人という自己認識なので、自分自身の事もアーティストよりクリエイターの方が「作り手」って感じでしっくりきます。

そもそも自分は絵を描く時「何にプリントするか」を考えながら描く事が多く、こだわって作っているハンカチも「布にプリントする絵」を意識して描いています。

必然的に解像度が荒かったり、線を太くしたり、「絵の巧さ」みたいなものより、実物になった時に出したい雰囲気の方がずっと重視している点です。

 

それでもアートについて考えたのは、自分の立ち位置や心構えを明確にしておきたかった為です。

自分のクリエイティブに対しての「法律」や「軸」を決めたかったのかもしれません。

 

私が現在、33歳になった状態で今1番共感している価値観の有名アーティストはkawsです。

彼は美術館に背を向けて、街中にグラフィティーを残し、フィギュアを量産して「名を知れ渡すこと」「(美術品にしては)安価で作品をばら撒くこと」に「新しいアート的価値」を見出しました。

(奇しくも昨今のSNSブームと連動した様な価値観。戦略かもしれないけど。)

予め用意された美術界的トーナメントを勝ち抜くのも勿論大変ですが、美術を守るようなルールも何も整備されてない大きな「市場」で名を上げるのも中々にエキサイティング。

でもなんだか、私はそっちの方が断然面白そうに感じてしまいました。

美術生としては劣等生だったのも勿論ありますが。

アートコンクールの審査員でありながら「問題作」を出品したデュシャンの様な捻くれつつもクレバーな感じがとても好きです。

(デュシャンは当時古典的で技巧が重視されるコンクールに既製品である「買ってきた便器」にサインだけ描いて出品し、物議を醸しに醸しました)

真面目な方からしたら邪道で腹立たしいかもしれませんが、そもそも私は根が邪悪で不真面目なので自分の方向だけでもわがままでいようと思います。

 

kawsから学んだのは「商業とエゴの両立」みたいな所です。

パンクバンドなのにCMソング歌ってる、みたいなかっこ悪さもあるのですが、そもそも私が尊敬&敬愛しているのが名も無きイラストレーター に描かれたアメリカンビンテージカードやビンテージトイ。

そもそも売られて、買われて、気に入られて、心に残る、この美しいカードを「商業的だから邪道」と言って良いものか!という強い気持ちがあります。

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確かに凄く媚を売った絵柄、軽薄ともいえるピンク、アート的に価値を下げる様な雰囲気ムンムンですが、私はそのブレない軸にいっそ格好良さを感じて来ました。

 

 

そこで私の絵を描く理由、というか目標。

 

「ルース・ニュートンのライバルイラストレーター になりたい!」

 

まずルース・ニュートンですが…

Ruth E. Newton(ルース エレノア ニュートン

1900年代に活躍したアメリカのイラストレーター、人形デザイナー。

企業向けのグリーティングカードのイラストや絵本などを手がけ、中でも有名なのは彼女のデザインしたThe Sun Rubber CO.製のラバー素材のお人形。

(可愛い物好きは絶対見たことある!羊や子供のビンテージ人形です)

今でも彼女のデザインしたお人形には、世界中に熱心なコレクターがいます。

 こちらのブログさんがとってもわかりやすいです。

要はアメリカンビンテージイラストの女王、と言ったところでしょうか。

 

つまり過去の人物に張り合いたい!

時空を超えた熱い思いを決意して最近生きています。

(これは漫画家なら「手塚治虫のライバルになりたい」ぐらいのやばい発言です)

きっとニュートンが存命なら、子供服やらクリスマス商戦は彼女のイラストで溢れていたに違いない。

そこに2番手として食いつきたい!

 

ニュートンはラバードールの方が有名なようですが、私は彼女の描くイラストが好きで、色遣いが派手なのにキマっていて(艶やか?というのかな・・華やかかな)パースは狂っているのに入り込める構図、そしてそして動物の表情にポーズ!絶妙で独特な寂しさ、全てが完璧パーフェクトです。

私も彼女みたいに泣いたり怒ったりする動物を描きたいのですが、全然描けないのです・・・どうしても描けない・・・。

 

そもそもこれまでも、私が絵を描く理由は「自分が見たいイラストを描く」みたいな、お客さん側目線の気持ちがずっと強く、「自分の個性を見せたい」という気持ちはほぼ0でした。

「自分」は極力存在していたくはなく、「クライアントの私」が「絵を描ける自分」に「こんなの描いてと発注」して絵を描いていた、という状況。

 

そしてクライアントの自分が「ニュートンのお株を奪え!」と命じてくる次第です。
今はもう完全敗北なのは自分でわかっていますので、後はもう切磋琢磨するのみです。
でもあれこれ方向性や一方的にやりたい事や自分勝手なビジョン、理想のキャリア設計みたいなものに振り回されず努力したい方向付けができたのは私の中でとても大きい。
とりあえず、私は何だかんだ喜ばれる事をしたいんだと思います。

彼女が扱えないPCを使えるのだけは私の強みです・・。

 

なんだか全然為にならない文章を書いてしまった様な気もしますが、これが私の今のところの自分が絵を描く理由です。

 

それではまたー🐹

 

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