描く絵と、その画家は似ている、何て言いますが、私はそこまで信憑性を感じていません。
(確かにそっくりな事が多いですが絶対的ではないかなーと)
しかしながら、お洒落な人じゃないと描けない絵、料理が上手くないと描けない絵、猫好きじゃ無いと描けない絵、お金持ちじゃないと描けない絵、そういうものは絶対あるような気がしています。
例えば小説家で言うと、モテてモテて仕方が無い、そんな太宰治でないとあれらの小説は絶対描けなかったと思うのです。
お金持ちじゃない岡本太郎からはあの無邪気で力強い作品は生まれなかったと(本人が聞いたら怒りそうですが)思うのです。
私が子供の頃、初めて好きになった画家は尾形光琳でした。(多分小学生か中学生の頃)
歴史の教科書や図工の教科書なんかに小さく載っている屏風絵で「かっこいい!すき!」と思うものがことごとく尾形光琳の作品だったように思います。
後々知ったのですが、尾形光琳って呉服屋のボンボンで、派手な着物にホイホイ大枚を叩き、お金がなくなるとめっちゃ良い絵を描いて売り、またそのお金で着物を買っちゃう様な人だったそうです。(ちょっと誇張して覚えてるかも)
大体は「悪癖」と紹介されるエピソードなのですが、私はもうそれはそれは必要な悪癖だ!と納得したのを覚えています。
洒落者にしか描けないバランス、デザイン感覚、「絵は、こう!」というアカデミックな感覚より「こっちの方がかっこいいじゃん!」みたいな軽薄なクールさ。効果的なパースの狂い。
説明したって描けっこない、人生観まで溶け込んでしまった様なパンクっぽさ。
そんな洒落者絵が好きなまま大人になり、やっぱりハンカチやテキスタイルにのった絵が好きなのだから、不思議なものです。
ちなみに…悲しいかな私は「お洒落さん」ではなく「プリント布オタク」みたいなちょっと違う人種なので、お洒落絵は描けないんですけどね。(頑張ろうとはしている)