LUTRA LUTRA LUTRA

mslutraのブログ

シルバニアファミリーに”親近感“を感じる私達

あなたはどんなキャラクターや人物に親近感を感じるでしょうか?

例えば少女漫画の主人公。少年漫画の脇役。いつも世界を冷めた目で見ている少年役や、頑張り屋だけど空回る女の子。そんな感じですか…?

私は「親近感を感じる様に作られたキャラクター」に親近感を感じられないと昔から感じていていました。何故ならそれは大抵「人間」だからです。

私が親近感を感じるのは、例えば映画ナルニア物語のクリーチャー(魔物)達、ハリーポッターだとドビーだし、カードキャプターさくらだとケロちゃん

何故か主人公周りの人間関係には全然悩んだり振り回されたりしない「動物ポジション」にばかり親近感を感じてしまいます。

私が動物の絵を中心に描くイラストレーター なのも、動物の方がはるかに感情を描きやすいのもあります。(多分人間より感情移入しやすいから)

 

また、動物イラストやペットについての認識の多くは「子供の様な生き物」ではないでしょうか。

よく、赤ちゃんみたいで可愛い動物イラストを見ますし、主流かと思います。

私は赤ちゃん動物イラストも大好きですが、自分が描いている動物は意図して描いていない限り大人(でも15歳とか20、30代くらいが多いかも?)の動物です。

 

あまり動物の方に親近感を感じる(むしろよく居る人間キャラクターに親近感を感じられない)人はいないと思っていたのですが、近年は「少数派だけど確実に居る」と感じています。

 

「女児向けアイテムが好きだけど、別に知られなくても良い」

「大衆メディアの言う”可愛い“より、自分の価値観の可愛いが最重要」

 

主張が強くないのに、軸がある。

そんな人間関係に価値観を右往左往されない悟り切った可愛い物好き。

たべっこ動物のグッツを集めるし、シルバニアファミリーを持ち歩く。カービィを見てると泣けてくる。

そして無言で写真を撮る。

「女児向けのモノが好きという自分への諦め」みたいな仄暗くて真っ直ぐな感情を持った女の子。(今のところ観測できてるのが女性なので)

◯◯女子、みたいにまだ認識されていないこの層は、しかし確実に居るように思います。

だって「たべっこ動物一番くじ」どこも売り切れだったんだ…。

 

先日ヴィレッジヴァンガードに行った時、シルバニアファミリーグッツの前で佇み、ジッと(買うかどうか?)悩んでる無表情の20代くらいの女の子がいたのですが、私はその女の子に強烈な親近感を感じました。

 

私はシルバニアファミリーを「赤ちゃんみたいだから可愛い」というより「自分も仲間に入りたい」と本気で思って集めています。

そしてシルバニアファミリーに親近感を感じるのは明らかに少数派で、この層に向けたアイテムがすごく少ないとも感じています。

 

例えば海外で良く見るアート作品で言うと、可愛い動物やディズニーのパロディアートなんかはよく、可愛いものが痛めつけられ、時に血を流していたりします。例外も勿論ありますが、大抵動物や動物キャラクターは「自分ではないもの」「操られたもの」として表現される事が多いです。

ぬいぐるみの彫刻で知られる現代アーティストのマイク・ケリーも「幼児退行ではなく『使い古された不気味なもの』として」ぬいぐるみを素材として使用しています。

 

私はどうしても動物を外側(自分とは違うもの、赤ちゃん)として表現するのにうまく共感できないので、動物に共感する形で絵を描こうと決めています。

 

近年、感情を乗せるラインスタンプなんかで、動物が「おはよー!」から「焼肉食べたい!」まで気持ちを代弁してくれるので、もしかしたら日本人は動物に共感するのを、しようと思えば自然にできるのかもしれません。

 

動物などを「親近感」「内側」として表現しているアーティストは日本人には多くいるように思います。

「ヒグチユウコ」「ブリッジシップハウス」「Aruta Soup」「いでたつひろ」(勝手にお名前出してごめんなさい)

海外ですと「マークライデン」最近Twitterでも話題になる「Vanessa Stockerd」などがそうかもしれません。

マークジェイコブスとコラボした「Magda Archer」もまさにそうです。

 

「子供っぽいものが好きな大人」にはあまり人権がありません。

でも子供っぽいものが好きな事は「バカっぽい」とか「意思薄弱」とか「流されやすい」とかでは全然ありません。でも多分そう思われているであろう事はわかります。

私はどうせ絵を描いたりグッズを作るなら、これを持っている人がマイナスイメージを持たれないように、どうにか「それかっこいいね」とか思われて欲しい、私のグッズを持っている方がかっこよく居られるように!と願いを込めて絵を描いています。

 

 

こちらの本もこれについて深く考えるきっかけになりました。

動物性愛について書かれたノンフィクションです。

 

とりあえず言いたい事は書ききったのでクールに去ります🐹