「どうしてスタバが流行るのか」みたいなビジネス記事がすごくすごく私的に的を外している様な気がしてモヤモヤしてならないから書くね。
『「大衆的な客」と「ニッチな客」を「同じ空間に集めることに成功した」』
という矛盾した客層を獲得!という論調で纏められているんだけど、そのスタート地点から私的にはとっても疑問。
そもそも、コーヒー大好きの私が、お客さん目線でスタバを見ると、第一の第一に「女性でも入りやすいコーヒーショップ」というのがある。
今でも少しだけ残る風潮だけど、私が学生の90、2000年代ではまだまだコーヒーは男性の飲み物。という強いイメージがありました。
ネスカフェの有名なキャッチフレーズ「違いのわかる男 ネスカフェゴールドブレンド」
CMも完全大人の男性がくつろぐ飲料!というのが全面推しでした。
今は実はそっと「違いを楽しむ人に」に変わっていて、むしろ少し笑いました。
コーヒーはそもそもただの飲料なので、性別は関係無い食品です。
仕事のお供、のイメージもありますが、それも今となっては関係ありません。
コーヒーを男性向けというブランディングをするとどうなるか。
人口の半分の販売機会を棒に振ってしまっている訳です。
今でこそドトールは入り易い雰囲気ですが、エクセシオールはちょっと入りにくい…ルノワールもビジネス感が強すぎる…。
そこでスタバですが、ものすごく入り易いんです。
店内が無闇に暗くない、洒落た感じ、犬もOKなテラス席。
私だけかもしれないのですが、暗い店ってちょっと怖いんですよね、居酒屋とかコーヒーショップ。衛生的にも心配だし。
某ビジネス記事の『「大衆的な客」と「ニッチな客」を「同じ空間に集めることに成功した」』というのはつまり『「大衆的な(今迄居なかった女性)」と「ニッチな客(今迄のコーヒーイメージよりビジネス感の無い)」を「同じ空間に集めることに成功した」』だけであって、客層に矛盾は無い訳です。
逆に「ビジネス男性だけ」という客層の方がニッチだったとすら思います。
若い学生さんが遊びにも行けるし、mac開いてても気にされない。
一昔前はよく「macユーザーはカッコつけてる」なんて揶揄われていましたが、いちmacユーザー的には色が綺麗とかトップ画面に情報が少なくて酔わないとか理由がある訳です。
背広でも無い、おしゃれっぽいpc、犬連れてる。そんでコーヒー好き。そんな居たはずの(しかし居ないと思われていた)客層を拾い上げたのがスタバなんだと、私は思います。
そう思って振り返ると、大々的に流行するものって、結構ブランディングに性別の偏りが無いものが多いのです。だって人口の半分を捨てない訳だから。
身近だと、IKEAとか、アニメだと鬼滅の刃、SPY×FAMILYとか、ゲームのどうぶつの森とか、kーpopの女性グループやBTSなんかも男性でも女性でも推せる。
ハリーポッターとか、アベンジャーズも女性ファンの事をすごく良く考えている。(アベンジャーズは特にフェーズ4!)
コーヒーの話に戻りますが、バリスタなんかも性別に関係のない仕事なので、女性バリスタがとても増えているようです。実は近所にも女性店長がオープンしたコーヒーショップがあります。
またコーヒー農園は女性の働き手がとても多く、コーヒー農園の為のフェアトレードで働く女性の支援にもなる訳です。
スタバの客層を私はそれとなく眺める事が好きなのですが、女性客、そして学生などの若い方が多い印象です。(もちろん同じだけの男性も)
そしてスタバの特大サイズ「ベンティ」を2、3本テーブルに置いて仕事してるのは女性だったりします。(私もベンティサイズでカフェミスト飲むの好き)
コーヒー好きの元祖ビジネス男性は肩身が狭いかもしれない。でも元祖ビジネス男性向けコーヒーショップは無くなった訳じゃ無くて、新たにスタバが追加されたんだと思います。
漠然と「全員向け」ではなくて、一定の基礎の上に性別や年齢や人種を排除しない様に心掛けたブランディング、こだわりを無くすのではなく、意味の無い取りこぼしを極力避けるようにしたのが成功の秘訣(のひとつ)になる時代になっています。
居場所が無いと思って過ごしていた90、00年代。
少しずつ生きやすくなってると感じられる事が増えて、私は嬉しいです。